統合失調症を患っている人が仕事をしている割合について
2017.9.20

精神疾患である「統合失調症」を患っている人は、仕事がしたくてもなかなか就職できないとも言われています。
実際に統合失調症を患っている人の中で、どれくらいの人が仕事を持っているのでしょうか?
統合失調症でも仕事をしている人の割合や、職種について調べてみました。
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この記事の目次
統合失調症の人が仕事に就いている割合は?
統合失調症になってしまうと、幻覚や妄想、幻聴といった症状に見舞われ、症状がひどい人は入院をする場合もあります。
ですが、早めに治療をすれば社会に復帰できるので、投薬治療だけでなく、精神療法・デイケア・運動療法などを生み合わせて治療をすることが大切になります。
統合失調症の患者さんは、幻覚や妄想といった症状のほかに、考えがまとまらないといった症状になり、うつのような状態になって引きこもりがちになったり、物事に意欲的に取り組むことが難しくなります。
このような状態を引き起こしてしまう原因として考えられるのが「自分が何者なのかわからなくなる時がある」ということです。
統合失調症は10代から30代の若者が発祥しやすい精神疾患で、約120人に1人の割合で発症します。
発症していてもきちんとした治療が行われていないケースがもたくさんあります。統合失調症の治療は、「抗精神病薬」を服用します。
脳の中で神経同士の伝達をする役割がある「ドーパミン」の働きが異常になってしまうことが原因で発症すると考えられているためで、抗精神病薬を服用することで、ドーパミンの働きを調節することができます。
統合失調症は、一度発症してしまうと完治するのは難しく、一生付き合っていく人がほとんどです。
ですが適切な治療を行うことで、70%~80%の人が、普通に日常生活を過ごせるようになり、50%ほどの人は社会復帰をして仕事に就いています。
統合失調症で仕事している人の割合~実際の声~
統合失調症の当事者の方にお話を聞いてみました。
「少し前ですと、統合失調症の患者さんで職に就いている割合は15%ほどだったと思います。ですが、最近では30%以上の人が何らかの職に就いているようで、これは非定型抗精神病薬がこの世に出て全体的に軽症化していることや、精神疾患の障害者枠での雇用が増えたからだと思われます。
ですが、この中でもフルタイムで働けている人の割合は低く、全体の5%ほどしかいません。私はフルタイムで働いていますが、仕事に支障は出ていません。薬を服用しながら働いていますが、何とかなるものです。」
統合失調症の患者さんの中には、お薬を服用しながら症状と上手に付き合い、お仕事を持っている方もいます。今働くことが出来ないという患者さんも、こういったお話を聞くと、社会復帰を目指そうと思えますよね。
統合失調症の人100人中30人・3割前後の割合で仕事に就いている
統合失調症は元々「不治の病」と考えられていました。ですが、2000年を過ぎるころから徐々に医療が進化していき、「治る病気」へと変化していきました。
社会復帰している人の割合が25%~30%ということだと、100人のうち25人~30人の人が何らかの仕事に就いているということになります。
数字だけを見ると少ないと感じる人もいるでしょうが、不治の病からここまで治療が進んだ病気になったということを考えると、とても高い割合の人が職に就いていると言うことが出来ます。
同じ統合失調症と戦っている患者さんは、このような話を聞くと心強く感じるかもしれません。
ですが、フルタイムでお仕事をしている人の割合を見ると全体の5%、100人に5人という数になります。統合失調症を治療する医療がもっと進んで行くことを願うばかりです。
統合失調症の患者さんの仕事選びのポイント
統合失調症患者の多くは「社会に出て仕事をしたい」と考えています。
でも、仕事をすることに不安を抱いていたり、長く働ける職場を見つけたいということになると、仕事選びが難しいこともあります。そこで、統合失調症の人の仕事選びのポイントについてまとめました。
■仕事選びのポイント
- 作業手順が決まっている
- 自分のペースで仕事が出来る
- 接客がない・あるとしても手順が決まっている
- フルタイム勤務でなく、短時間勤務の仕事
こういったことを意識して仕事を探してみてください。統合失調症の患者さんは、病気の特徴としてとっさの判断が苦手なことがあります。
手順が決まっている仕事であれば、とっさの判断が必要になることはありませんが、接客業は急にトラブルが起きることもあります。
だからと言ってダメと言うわけではありませんが、臨機応変な対応を苦手とする統合失調症の患者さんは、この仕事が難しいことがあります。
接客が好きだという人は、接客の手順が決まっていると働きやすくなると思います。
統合失調症になる原因は?発症する時のきっかけ
統合失調症になってしまう原因は何なのでしょうか?患者さんの約3分の2が素質的なものの影響、残りの3分の1が環境的なものの影響と言われています。
- 冬生まれの人(胎児の時の日照不足と関係)
- 妊娠中の過度なストレス
- 幼少期の栄養が足りなかった
- 薬物の乱用
- ネコなどの動物からのトキソプラズマ症への感染
- 遺伝的要素
- 父親の年齢
- 妊娠初期のインフルエンザ感染
遺伝的要素としては、脳への脂肪酸の取り込みが弱かったり、前頭葉・側頭葉の体積が小さいということが上げられます。
また、父親の年齢が10歳増していくとともに、リスクが1.47倍になと言われていて、妊娠初期にインフルエンザにかかってしまうと統合失調症になってしまうリスクが3倍になると言われています。ですが、母親が統合失調症場合は子供の発症率は約10%ほどです。
統合失調症は進学や就職、結婚などといった人生のターニングポイントがきっかけになって発症することが多いです。
そして、最近の研究でわかってきたこととして、統合失調症の患者さんはそうでない人と比べて4倍も関節リウマチになりずらいということがわかってきています。
- 社会生活のコツ